時計のオーバーホール料金と時期|何年ごとに、いくらかかるのかを専門店が解説

機械式時計のオーバーホールは3〜5年に一度、クォーツ時計のオーバーホールは4〜7年に一度が一般的な目安です。費用は国産の腕時計で16,500円前後から、輸入ブランドで24,000円前後からが目安になります。掛時計・置き時計といったゼンマイ式の時計も、同じように分解掃除が必要です。油が固まったまま、あるいは油切れのまま動かし続けると、故障の原因になり修理費が大きく膨らみます。この記事では、適切な時期・料金の考え方・依頼先の選び方を、アンティーク時計専門店トライフルが解説します。

項目 内容
機械式腕時計の目安 3〜5年に一度
クォーツ腕時計の目安 4〜7年に一度
ゼンマイ式の掛・置時計 分解掃除 33,000円〜(税込)
国産腕時計の参考料金 クォーツ 16,500円〜/機械式 19,800円〜(税込)
輸入ブランドの参考料金 24,200円〜(税込)
対応 腕時計・懐中時計・掛時計・置き時計・柱時計・ホールクロック

オーバーホールとは、何をする作業ですか?

時計を分解し、洗浄・注油・組み立て・調整までを行う、内部の総点検です。 分解掃除とも呼びます。

機械式時計の内部には、数十から百を超える部品が組み合わさっています。部品同士が接する部分には潤滑油が差してあり、この油が金属の摩耗を防いでいます。オーバーホールでは、この油を入れ替えることが中心の作業になります。

一般的な工程は次のとおりです。

  1. 分解 — ムーブメントを部品単位まで分解する

  2. 洗浄 — 古い油や汚れを専用の洗浄液で落とす

  3. 点検・部品交換 — 摩耗・破損した部品を交換する

  4. 注油 — 部位ごとに指定された油を適量差す

  5. 組み立て・調整 — 組み上げ、精度を調整する

  6. 動作試験 — 一定期間動かし、精度と持続時間を確認する

外装のクリーニングや防水パッキンの交換を併せて行うこともあります。

何年ごとにオーバーホールすればいいですか?

機械式時計は3〜5年、クォーツ時計は4〜7年に一度が一般的な推奨頻度です。 これは内部の潤滑油の耐用年数にもとづく目安です。

種類 一般的な推奨頻度
機械式腕時計(手巻き・自動巻き) 3〜5年
クォーツ腕時計 4〜7年
ゼンマイ式の掛時計・置き時計 3〜5年
ホールクロック・大型時計 3〜5年

※複数の時計修理事業者が公開する推奨頻度にもとづく目安です。ブランドによって推奨年数は異なります。

ただし、年数だけで判断する必要はありません。次のサインが出たら、年数にかかわらず点検の時期です。

  • 精度が落ちた — 1日の誤差が急に大きくなった

  • 持続時間が短くなった — 巻いても以前ほど動かない

  • 音が変わった — チクタク音や打音の響き方が変わった

  • リューズや巻き上げが重い — 内部の抵抗が増えている

  • 長期間しまっていた — 動かしていない時計ほど油が固まります

クォーツ時計は動力部の油劣化が少ないぶん見落とされがちですが、針を動かす歯車は機械式と同じように劣化します。防水パッキンも経年で硬くなります。

料金の目安はいくらですか?

国産腕時計で16,500円前後から、輸入ブランドで24,200円前後からが目安です。 機構が複雑になるほど費用は上がります。

参考として、当店の料金水準は次のとおりです。

種類 参考料金(税込)
セイコー クォーツ 16,500円〜
セイコー 自動巻き 26,400円〜
グランドセイコー 自動巻き 26,400円〜
ロレックス 手巻き 30,800円〜
ロレックス デイトジャスト 自動巻き 34,100円〜
オメガ 手巻き 25,300円〜
オメガ スピードマスター プロフェッショナル 手巻き 39,600円〜
掛け時計・置き時計 ゼンマイ式 16,500円〜
懐中時計 33,000円〜
ウエストミンスターチャイム 掛け時計/置き時計 55,000円〜

※参考料金です。実際の費用は実物を確認してのお見積もりとなります。最新の料金は公式サイトの料金ページでご確認ください。

クロノグラフや永久カレンダーなどの複雑機構、ヴィンテージ・不動品は別途お見積もりになります。部品交換が必要な場合は、部品代が加算されます。

メーカーと修理専門店、どちらに出すべきですか?

現行モデルで保証を重視するならメーカー、古い時計や廃番モデルなら専門店が向いています。 目的によって使い分けてください。

  メーカー(正規) 修理専門店
対応年式 現行・比較的新しいモデル中心 年代を問わず対応
部品 純正部品のみ 純正+独自ルート+別作
古い個体 部品終了で受付不可の場合あり 対応できる場合が多い
外装 一律の仕上げになることがある 残す・磨くを相談できる

メーカーは純正部品の流通可否で判断するため、生産終了から年数が経つと「部品がないため修理不可」と返却されることがあります。トライフルのような独立系の専門店は、独自の部品調達ルートと、部品を新規製作する「別作」という選択肢を持っています。

一方で、現行モデルで純正保証を重視する場合は、メーカーに出すほうが合理的です。

▶関連記事:『古い時計の修理を東京で|100年前のアンティークから昭和の柱時計まで対応』

オーバーホールをしないと、どうなりますか?

油が固まり、金属同士が直接こすれて部品が摩耗します。結果として修理費が高くなります。 これが最も大きなデメリットです。

進行の順序はおおむね決まっています。

  1. 潤滑油が乾き、樹脂状に固まる

  2. 摩擦が増え、精度が落ちる・持続時間が短くなる

  3. 歯車や軸が削れ、摩耗が始まる

  4. 動かなくなる(不動品)

  5. 摩耗した部品の交換や別作が必要になり、費用が膨らむ

分解掃除だけで済んだはずの時計が、部品交換や別作を伴う修理になると、費用は数倍になることもあります。動いているうちに出すほうが、結果的に安く済みます。

長くしまい込んでいる時計ほど注意が必要です。動かしていない時計は油が固まりやすく、いざ使おうとしたときに動かないケースが目立ちます。

古い時計やアンティークでもオーバーホールできますか?

できます。年代の古さは、対応不可の理由になりません。 むしろ古い時計ほど、専門店での定期的な整備が必要です。

古い時計は防水性能を持たないもの、または防水が失われているものが多く、湿気の影響を受けやすい状態にあります。そのため、現行モデルよりやや短い周期での整備が向いています。

戦前の懐中時計、昭和の柱時計、廃番のヴィンテージ腕時計、メーカーが現存しないアンティーク時計——いずれも実績があります。部品が流通していない場合は、独自ルートでの調達や別作で対応します。

よくある質問(FAQ)

オーバーホールの期間はどのくらいですか?

一般的なオーバーホールで1〜2か月が目安です。部品の取り寄せや別作が必要な場合は、3〜6か月以上かかることもあります。お急ぎの場合はご相談ください。

動いているのに出す必要はありますか?

あります。動いていても油は劣化しています。摩耗が始まる前に整備するほうが、部品交換を避けられて費用も抑えられます。

電話で料金を教えてもらえますか?

実物を確認しないと正確な金額はお伝えできません。当店はすべてお預かりのうえ、一点ずつお見積もりをお出ししています。参考料金は公式サイトに掲載しています。

電池交換だけでも頼めますか?

承ります。電池交換の際には、汚れた部分のクリーニング、電圧チェック、テスターでの動作診断を無料で行っています。防水パッキンの交換も別途対応します。

見積もりだけでも依頼できますか?

可能です。実物確認のうえお見積もりをお出しします。見積もり後のキャンセルにも対応しています(見積りキャンセルの場合は3,300円の費用が発生します)。

大切な時計を、長く使い続けるために

オーバーホールは、時計を「壊れてから直す」のではなく「壊れる前に守る」ための作業です。3〜5年に一度の整備で、機械式時計は世代を超えて使い続けられます。腕時計・懐中時計・掛時計・置き時計・柱時計・ホールクロック・アンティーク時計まで、ジャンルを問わず承ります。東京・埼玉・千葉であれば大型時計の出張修理にも対応しています。業界40年、西荻窪での営業は2005年からです。

📍 アンティークトライフル(株式会社アンティークトライフル)

  • 住所: 東京都杉並区松庵3-31-16(西荻窪駅南口から徒歩6分)
  • 電話: 03-6765-7690
  • 営業時間: 毎日14:00〜18:00(修理依頼・お引渡しは事前予約制)
  • URL: https://www.a-trifle.mom/

参考・出典