柱時計・ボンボン時計の修理|精工舎など国産ゼンマイ式の症状と料金の目安

壁に掛かったまま止まっている柱時計(ボンボン時計)は、ほとんどが修理できます。原因の大半は油の固化とゼンマイまわりのトラブルで、分解掃除と部品交換で再び動き出します。精工舎・愛知時計・東京時計など、いまは存在しないメーカーの個体も対応の対象です。トライフルには掛時計の修理事例が150件以上あります。この記事では、症状の見分け方・対応メーカー・料金の目安を、アンティーク時計専門店トライフルが解説します。

項目 内容
別の呼び名 ボンボン時計/振り子時計/掛時計
動力 ゼンマイ式(巻きカギで巻き上げ)
主なメーカー 精工舎・愛知時計・東京時計・明治時計・栄計舎ほか多数
主な症状 止まる/鳴らない/打数が合わない/早い・遅い
分解掃除の参考料金 16,500円〜(税込)
公開修理事例 掛時計150件以上(2026年7月時点)

ボンボン時計とは、どんな時計ですか?

時報の音から名付けられた、ゼンマイ式の振り子掛時計の愛称です。 正式には柱時計、または掛時計と呼びます。

福岡県水巻町の歴史資料館の資料では、この時計は1時間ごとに時刻の数だけゴングが鳴り、30分ごとに1回の「半時打ち」をすると説明されています。この打音から「ボンボン時計」の呼び名が定着しました。ゼンマイの巻き回数によって8日巻き、15日巻き、21日巻き、30日巻き、60日巻きなどがあります。

見分け方は簡単です。文字盤に巻きカギを差し込む穴が2つあれば、ボンボン時計です。左右で役割が分かれており、片方が針を動かすゼンマイ、もう片方が時報を鳴らすゼンマイです。穴が1つの場合は、時報の機構を持たない時計になります。

明治以降、日本の家庭でもっとも普及した掛時計がこのタイプです。実家や祖父母の家に残っている柱時計は、まずこれに当たると考えて差し支えありません。

柱時計が止まる原因は何ですか?

もっとも多いのは、内部の油が固まって歯車が動かなくなる「油の固化」です。 長年巻いていない個体は、ほぼこの状態にあります。

代表的な原因は次の6つです。

  1. 油切れ・油の固化 — 潤滑油が乾いて樹脂状になり、摩擦が増えて止まる

  2. ゼンマイ切れ — 巻いても手応えがない、空回りする場合はこれを疑います

  3. 振り子の振幅不足 — 掛けている壁が傾いている、または内部の抵抗が大きい

  4. 歯車・軸の摩耗 — 長年の使用でかみ合わせが悪化している

  5. 打音機構のズレ — 時刻と打数が合わない、打ち続けて止まらない

  6. 吊り金具・振り子の変形 — 落下や移動で歪んでいる

症状別の見立ては次のとおりです。

症状 考えられる原因
巻いてもすぐ止まる 油の固化/腐食/軸の摩耗による動力伝達不良
巻いた感触がない ゼンマイ切れ
時刻は動くが鳴らない 打音側のゼンマイ切れ・機構の固化
打数が時刻と合わない 打音機構の位相ズレ(調整で直る場合もあります)/内部機構の不良など
極端に進む・遅れる 振り子の長さ調整不足/内部の摩耗

どこのメーカーの柱時計まで直せますか?

メーカーが現存していなくても、修理の対象になります。 柱時計の多くは戦前から昭和期の国産品で、製造元がすでに存在しないことが普通です。

トライフルが対応してきた掛時計・置き時計のメーカーには、次のようなものがあります。

  • 国産 — 精工舎(現セイコー)、愛知時計、明治時計、日本時計、東京時計、水野時計、リズム時計、東洋時計、栄計舎、大阪時計、京都時計ほか多数

  • 舶来 — アンソニア、ニューヘブン、セストーマス、ギルバート、ユンハンス、グスタフベッカー、ハンブルグアメリカン、イングラハムほか

トライフルは数十年にわたって世界中から集めたストックパーツを保有しています。メーカーで「部品なし」とされた個体でも、部品を確保して対応できるケースが多くあります。

▶関連記事:『古い時計の修理を東京で|100年前のアンティークから昭和の柱時計まで対応』

修理料金の目安はいくらですか?

ゼンマイ式の掛時計・置き時計の分解掃除は、16,500円(税込)からが目安です。 機構が複雑になるほど費用は上がります。

内容 参考料金(税込)
掛け時計 ゼンマイ式 分解掃除 16,500円〜
置き時計 ゼンマイ式 分解掃除 16,500円〜
鎖引き式 掛け時計/置き時計 33,000円〜
ウエストミンスターチャイム 掛け時計/置き時計 55,000円〜
ハト時計 33,000円〜
クオーツムーブメント換装加工 18,600円〜
出張引取り・お届けサービス 7,700円〜

※参考料金です。実際の費用は実物を確認してのお見積もりとなります。最新の料金は公式サイトの料金ページでご確認ください。

ゼンマイ交換や部品の別作が必要な場合は、上記に部品代・工賃が加わります。すべてお預かりのうえ、都度お見積もりをお出しします。

ゼンマイ式のまま直すか、クォーツに換えるか?

思い出の音を残したいならゼンマイ式のまま、手間なく使いたいならクォーツ換装が向いています。 どちらが正解ということはありません。

  • ゼンマイ式のまま整備する — 打音とチクタク音がそのまま残ります。週に一度の巻き上げが必要です

  • クォーツムーブメントに換装する — 外装をそのまま生かし、内部だけ電池式に入れ替えます。巻き上げが不要になり、日々の手間がなくなります

換装は、外側の意匠を残したまま実用性を優先したい場合の選択肢です。ただし、ゼンマイ特有の打音や振り子の動きは失われます。「祖父が巻いていた時計を、同じ音で残したい」というご希望であれば、ゼンマイ式のままの整備をおすすめします。

ご来店時にヒアリングを行い、費用を最小限に抑える方向で方針を決めています。

修理に出す前に確認しておくことは?

巻きカギ・振り子・ネジ類が揃っているかを確認してください。 付属品が残っていると、修理の判断が早くなります。

  • 巻きカギ — 紛失していても対応できますが、あれば持参してください

  • 振り子 — 外して保管されていることが多い部品です

  • 文字盤・ガラスの状態 — 割れや欠けがあれば併せてご相談ください

  • 裏板のラベル — メーカー判別の手がかりになります。無理に剥がさないでください

保証書や箱は不要です。実家から引き継いだ時計に付属品が残っていないのは、むしろ普通のことです。時計本体だけで修理は成立します。

よくある質問(FAQ)

何十年も動かしていない柱時計でも直りますか?

多くの場合、直ります。長期間止まっていた個体は油の固化と錆、軸の摩耗が主因で、分解掃除と必要部品の修理、場合によっては部品交換で稼働状態に戻せます。まずは実物を確認させてください。

打つ回数が時刻と合いません。故障ですか?

故障ではないことがほとんどです。打音機構の位相がずれているだけの場合には、調整で合わせられます。分解整備の際に併せて調整します。内部機構の故障の場合もありますので、実際には実物の確認が必要になります。

巻きカギをなくしました。修理できますか?

できます。カギは形状に合うものを用意します。お手元にない場合はその旨をお知らせください。

音がうるさいので小さくできますか?

機種によっては、調整である程度の対応ができる場合もあります。ハンマーの当たり方や取り付け位置を変えることで音量や響き方を抑えられる場合には、調整させていただきます。ご希望をお伝えください。

見積もりだけでも依頼できますか?

可能です。一点一点を実物確認したうえでお見積もりをお出しします。見積もり後のキャンセルにも対応しています(見積りキャンセルの場合は3,300円の費用が発生します)。

実家の柱時計を、もう一度動かしませんか

止まったまま壁に掛かっている柱時計は、たいてい直ります。メーカーがもう存在しなくても、部品が手に入らなくても、対応する手段があります。腕時計・懐中時計・掛時計・置き時計・柱時計・ホールクロック・アンティーク時計まで、ジャンルを問わず承ります。東京・埼玉・千葉であれば大型時計の出張修理にも対応しています。業界40年、西荻窪での営業は2005年からです。

📍 アンティークトライフル(株式会社アンティークトライフル)

  • 住所: 東京都杉並区松庵3-31-16(西荻窪駅南口から徒歩6分)
  • 電話: 03-6765-7690
  • 営業時間: 毎日14:00〜18:00(修理依頼・お引渡しは事前予約制)
  • URL: https://www.a-trifle.mom/

参考・出典